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「平和への祈り~久貝清次美術展」母校 鏡原小学校/2000.8.24~8.26

PRESS・メディア

行雲流水

ひげの画家久貝清次氏が45年ぶりに帰郷、母校鏡原小学校校庭のガジュマルの下で版画展を開いた。「野球を楽しむ私たちのキャッチャーの後ろにはいつもこの樹があって、アンパイアーをしたり、逃がしたボールを止めてくれたりした」と、幼い日々に結んだ心の原風景の象徴ともいえるガジュマルに再会できた喜びを語っていた▼会場には、絵画愛好家をはじめ、小学校や高校時代の同期生、親戚や隣人、それに後輩の中学生たちが次々に訪れ、作品を鑑賞するとともに、貧しかった時代のことや悲惨だった戦争のこと、地域の変貌などの話に花を咲かせていた▼「PROCESS」と題する作品がある。髪の毛もひげもつるつるにそった状態から始まって後は伸び放題、1年間毎日撮った写真が365枚並べられており、上部には最初の写真の右半分と最後の左半分が拡大されてつなぎ合わされている作品である。「1日1日の変化には気がつかないが、1年もたてばこんなにも変わる。平和も戦争もこうしていつのまにかすすめられていく」と氏は熱く語る▼ 黒の絵の具を塗り潰した画面に対していると、ある形が立ち上がってくる。それを形象化して作品に仕上げるという。見る人はそれぞれの感性で何かを感ずればよいということになろうか▼氏は詩画集の出版を準備している。詩と絵はそれぞれ独立した作品だが互いに響きあう。そこには、生命の讃歌と、それを超えたものへの畏敬、遍在する美の探究が感じられる▼一層の精進を期待したい。
宮古毎日新聞 2000年8月30日

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